休館中の江戸東京博物館が『ハイパー江戸博−バーチャルミュージアム』をリリース!ゲームで江戸文化に親しもう #ハイパー江戸博

発表会は休館中の博物館内で行われました。

4月から大規模改修のため、2025年までの3年間(予定)の長期休館に入っている江戸東京博物館が、4月22日にアプリ上でゲームを楽しみながら収蔵作品や江戸文化に触れることができるアプリ『ハイパー江戸博-バーチャルミュージアム』をリリースしました。
今回プレス発表会にお邪魔したので、そのレポートと、アプリの使い方に加え、見どころやおもしろポイントなど実際にプレイしてみたレビューをまとめました。

デジタル活用を進めていた江戸博の更なる挑戦

江戸東京博物館は、以前よりデジタルを積極的に活用しています。その一例は、
・常設展示を高精細ドローンで撮影したい映像を公開
・収蔵品の3Dデータの公開
・収蔵資料のデジタル化・データベースの公開
・Youtubeのえどはくチャンネル(江戸東京博物館【公式】 – YouTube)
といった「博物館らしい」ものから、まさかの
・あつ森のマイデザインにて所蔵資料を公開
といった、遊びのある企画まで多岐にわたっています。

そんな江戸東京博物館が、今回新たにアプリという分野に挑戦したわけです。
「はーん、よくある収蔵品が並べられていてそれを見ることができるアプリなんでしょ?」「バーチャル博物館ね、はいはい」と思ったあなた、ちょっと待ったー!
『ハイパー江戸博-バーチャルミュージアム』には、既存の美術館・博物館アプリにありがちな、バーチャル博物館のような作りではありません。
あなたはこのアプリの主役である「えどはくん」になって、両国橋周辺を探索しながら収蔵品を探すというゲーム形式になっています。
ゲーム形式で収蔵品を見ることができる美術館・博物館アプリは世界初なのではないでしょうか。

アプリアイコンにもなっている「えどはくん」

ハイパー江戸博で遊んでみた!遊びながら知識が増えちゃう

長屋に住む少年になって、江戸の街を探索

早速『ハイパー江戸博-バーチャルミュージアム』をプレイしてみました。
アプリの導入部分は、鳥と一緒に両国・隅田川周辺の景色を俯瞰で眺めるところから始まります。そして、あなたは隅田川にかかる両国橋の近くの長屋に住んでいる「えどはくん」になって両国橋周辺を探索していくことになります。
ゲームがスタートするのは、隅田川の川開きの時期です。イベントで賑わう両国橋周辺を探索しましょう。

江戸をあつめ、学んでいくことができる

『ハイパー江戸博-バーチャルミュージアム』は「江戸をさがす・みつける・あつめる」をテーマにしています。アイテムは、白く光っているものをタップすることで集められます。えどはくんがガッツポーツをしているところが可愛いです。余談ですが、江戸時代にガッツポーズは果たしてあったのでしょうか。なかったらどうやって喜んだのかは気になります。

集めることができるアイテムは、全て江戸東京博物館の収蔵品や資料にまつわるものばかりです。カードでは、資料にまつわる説明を読むことができるとともに、写真や絵なども見ることができます。画像部分をタップすると、拡大して細部まで見ることも可能です。

アイテムによっては、3Dデータを見られるものもあります(現在5点)。
3Dデータは、江戸東京博物館にある本物をスキャンして再現したものです。兜の中の部分や、駕籠の中の絵までしっかりスキャンされているので、普段の展示では見られない部分までじっくりと見ることができるようになっているんです。このような見方は実際の博物館ではなかなか難しいので、アプリならではです。

アイテムが見つけられない!そんな時には周りにいる人をタップして、話しかけてみましょう。こんなふうにヒントがもらえるかもしれません。また、えどはくんが紙吹雪を出している方向にアイテムがあるというヒントもあります。

集めたアイテムは画面上部の本のアイコンからまとめて見ることができます。
本のアイコンを開くと、この様に街の風景の中にアイテムが表示されるので、各アイテムをタップすることでカードが開く様になっています。各エリアの説明も読むことができるので、そちらもチェックしてみてください。

まずは近所の長屋エリアを探索しながら操作方法を覚えよう

矢印のあるところは出入りができるようになっているので、早速家から外に出て見ることにしましょう。
最初のエリアは、えどはくんが住む「長屋」のエリアです。早速江戸の暮らしを満喫している人々がたくさんいて賑やかです。人の動きがリアルなのは、モーションキャプチャーで再現しているからとのこと。製作者の再現度へのこだわりを感じます。

長屋のエリアの最初には、操作方法の説明があります。スピードを問われるような難しい操作はないので、年齢を問わずに遊ぶことが可能です。
視点の操作は左右の矢印で変えることができるのですが、ポンとタップすると結構一気に角度が変わります。微調整したい時には、長押しすることで可能です。
集めるアイテムは、画面の下に並ぶようになっています。

目のマークをタップすると、えどはくん目線で街並みを見ることができます。
えどはくん目線モードの時には、ピンチインピンチアウトで拡大縮小はできませんが、上下左右に見渡すことができます。意外な景色が見られたりするので、ぜひぐるぐる動かしてみてください。

マップ画面を表示すると、自分の位置を知ることができます。現状は自分の位置を中心として、その周辺図を見ることができるだけなので、ぐるぐる動かすといったことはできませんでした。
そして、指定されたアイテムを全て集めると次のエリアが開放されます。
知的好奇心が刺激される説明が続くので、どんどん先に進みたくなっちゃいました。

エリアが全開放されてからが本番!100個の収蔵品を探し出そう

現在『ハイパー江戸博-バーチャルミュージアム』で開放されているエリアは4エリアで、隠れている収蔵品アイテムは100個もあるんです。えどはくんのストーリーの中でアイテムは53個見つけることができて、ストーリーが終わってから残りの47個を探していくことになります。
ストーリーが終わってからは、天気の変化や朝夜の変化が訪れたり、駕籠に乗って橋を一気に渡ったりすることができるようになります。

ハイパー江戸博のおもしろポイントをご紹介

ここからは、『ハイパー江戸博-バーチャルミュージアム』をプレイしてみての面白ポイントやすごかった点をご紹介します。

風景の再現力がすごい

こちらは江戸東京博物館にある、江戸時代の両国橋周辺を再現したジオラマです。『ハイパー江戸博-バーチャルミュージアム』では、同じ風景がアプリ内で再現されていてすごかったです。ジオラマは俯瞰の視点ですが、アプリ内では暮らしている人目線でも体験できたのが面白かったです。

こことか、大人形の有無の違いはあれど再現度がとっても高いの、伝わるでしょうか?
細かい商店とか見世物小屋ののぼりとか、建物の配置まで再現されています。

ちょっと角度が違いますが、こちらも同じ風景で再現されています。

両国橋の景色は……

左は鳥目線、右は隅田川の船の上からの目線です。

アプリではこのように再現されていました。写真やスクショの角度が違うので完全に同じ見た目にはなっていませんが、それでも再現度が高いことは伝わるかと思います。
江戸東京博物館が再開館した際には、ぜひこのジオラマと見比べて楽しんでほしいなとも思いました。

親しみが持てるゆるい歴史情報もいっぱい

歴史の情報とか堅苦しい!と思うかもしれませんが、『ハイパー江戸博-バーチャルミュージアム』で扱っている江戸の情報はゆるめのものも結構あるんです。
これとか象の展示に見えますが、実はお花で作った象の菊細工なんです。菊細工は菊人形の前身とも言われているのですが、動物で作るあたりは現代の私たちと似た感性を感じます。可愛いもの、すぐに人形とかにしたくなるの日本人は昔からなのですね。

ここで「そもそも江戸の人は象を知っていたの?」という疑問が湧くと思います。
その疑問に関してはちゃんと資料が残っていて、『ハイパー江戸博-バーチャルミュージアム』のアイテムで知ることが可能なんです。
どんな経緯があったのかなどを知るのは面白いし、資料もなかなか微笑ましいのでぜひお楽しみに。

面白キャラがいる

いつの世にもツッコミどころのある人間はいるもので、江戸時代もそれは然りだった模様。『ハイパー江戸博-バーチャルミュージアム』のアプリ内には、変な人が時々出てきます。
まず、なんかキラキラしてるぞ……?と近づいてえどはくん目線に切り替えてみたところ、シャボン玉を吹いている男の人がいました。ストーリーではアイテムとしては出てこなかったのですが、なかなか目立っています。

他にも変な人が出てきました。左はゆるキャラやマスコットのはしりなのでしょうか?
右も何をしているのか……江戸の街に金太郎がいたのか?コスプレなのか?
答えはアイテムで学ぶことができるので、気になる人はプレイしてみましょう。

人じゃない面白キャラもいる

江戸の街の中には、なぜか人ではない何かが紛れ込んでいます。
江戸時代には河童がいたのか?幽霊は見えるのが当たり前だったのか?それにしても白昼堂々と存在しすぎていて全然怪しさがなくて笑いました。

街中にいる動物に和む

ちょっぴり怖くなったあとは癒しをどうぞ。
『ハイパー江戸博-バーチャルミュージアム』の街中には、動物もちょこちょこ紛れ込んでいます。
長屋の場面になってすぐのところに、まずは猫を発見。タップしてみると「ニャー」と表示されてなんとも和みます。

他にもフリーダムな感じで猫を今のところ2匹発見。
そして柴犬らしきわんこもいました。この子もタップしてみたら「ワン」って鳴いたりするのでしょうか?タップすればよかったです。

今後の展開など

プレス発表会では『ハイパー江戸博-バーチャルミュージアム』の今後の展開についてもお話しされていたので、その辺りもまとめました。

Android版はいつ出るの?

2022年6月末リリース予定です。現在開発中とのことです。

女子や動物キャラなど、えどはくん以外の主役キャラクターが出る展開はあるの?

企画次第とのことです。主役キャラクターを限定しているわけではないそうです。
(個人的には、女子で「えどはちゃん」って名前付けたら可愛いと思います。)

エリアを広げる予定はあるの?

現在が「江戸」を象徴するエリアを中心に展開しているのに対して、次は「東京」を象徴する「銀座」を追加する計画があるそうです。それ以降はこれから計画していくとのこと。新技術の導入も画策しているとのことで、エリアだけではなく、楽しみ方そのものが新展開していく可能性があります。

アプリは現在英語にも対応しており、アプリのトップから変更することが可能です。アプリを通じて気軽に色々な国の人に日本文化に触れてもらうきっかけにもなり得るアプリだと感じました。
スクショやキャプチャ動画のSNS投稿も大歓迎とのこと。ハッシュタグ #ハイパー江戸博 をつけて面白い場面を投稿するのもオススメです。
リアルとバーチャルの二刀流博物館に挑戦している江戸東京博物館に今後も注目です。

ハイパー江戸博-バーチャルミュージアム

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Android版は2022年6月末リリース予定とのことです。

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